○印南町監査委員事務運営規程
平成13年3月6日
監査委員告示第1号
(目的)
第1条 この規程は、印南町監査委員の事務運営に関する大綱並びに地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)の規定に基づいて監査委員が行う監査、検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(委員の協議)
第2条 監査委員の監査等に関する重要事項は、原則として監査委員の協議に基づき執行するものとする。
2 前項の協議は、監査委員相互において必要と認めたとき、随時に行うものとする。
3 第1項の協議すべき事項は、おおむね次のとおりとする。
(1) 監査方針に関すること。
(2) 監査等の計画及び執行に関すること。
(3) 監査等の結果に関する報告の決定又は意見の決定、講評、提出及び公表に関すること。
(4) 規程の制定改廃に関すること。
(5) 前各号のほか、委員の職務に関する重要事項
(委員の事務分担)
第3条 監査執行上必要があるときは、監査委員の協議により、業務の担任区分を定めることができる。
(監査委員の使命)
第4条 監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、事務事業の執行について監査等を実施し、その結果に関する報告を提出及び公表することにより、民主的かつ効率的な行政の執行確保に資し、もって住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与するものとする。
(監査委員の責務)
第5条 監査委員は事務事業に対する広い知識と深い理解を持ち、かつ、正当な注意をもって監査等の実施及び報告書の作成を行わなければならない。
2 監査委員は、事実の調査及び認定並びに意見の表明を行うにあたっては、常に公正不偏の態度を保持するとともに、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
3 監査委員は、適切な監査方針のもと、監査委員の事務を補助する職員(以下「事務職員」という。)を指揮監督しなければならない。
(基本方針)
第6条 監査委員は、監査等にあたっては、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理(以下「事務事業」という。)並びに町の事務又は町長若しくは委員会若しくは委員の権限に属する事務(以下「町等の事務」という。)の執行が法第2条第14項の規定の趣旨にのっとってなされているかどうかに、特に意を用いなければならない。
2 監査等の実施にあたっては、事務事業の執行が予算及び議会の議決並びに法令等にのっとってなされているかに留意し、かつ、国の施策、町政の方針等を参考として積極的指導的に行うものとする。
(計画的な監査等の実施)
第7条 監査委員は、監査等を効率的かつ効果的に実施するため、適切な監査計画及び実施計画を作成し、これに基づいて秩序整然と、適時に実施しなければならない。
2 監査等の計画の樹立及び実施にあたっては、相互に有機的な関連をもたせ、総合して成果が上がるように調整運用するものとする。
(監査等)
第8条 監査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 定例監査(法第199条第1項及び第4項の規定による監査)
ア 町の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
イ 町の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 行政監査(法第199条第2項の規定による監査)
町等の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として適時に実施するもの
(3) 随時監査(法第199条第1項及び第5項の規定による監査)
必要があると認めるとき、定例監査に準じて実施するもの
(4) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項の規定による監査)
財政援助を与えている団体若しくは出資・支払保証団体若しくは町が受益権を有する不動産受託者若しくは町の施設の管理受託団体に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、当該財政援助団体等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(5) 公金の収納又は支払事務に関する監査(法第235条の2第2項及び地方公営企業法第27条の2第1項の規定による監査)
指定金融機関等に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、公金の収納、支払等の事務処理が、法令の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの
(6) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条の規定による監査)
請求に係る事務の執行について実施するもの
(7) 議会の要求に基づく監査(法第98条第2項の規定による監査)
要求に係る事務について実施するもの
(8) 町長の要求に基づく監査(法第199条第6項の規定による監査)
要求に係る事務の執行について実施するもの
(9) 住民監査請求に基づく監査(法第242条の規定による監査)
請求の内容について実施するもの
(10) 町長の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2第3項(地方公営企業法第34条において準用する場合を含む。)の規定による監査)
要求に係る事実等について実施するもの
2 検査の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 例月現金出納検査(法第235条の2第1項の規定による検査)
会計管理者の行う現金(歳入歳出外現金及び基金に属する現金を含む。)の出納事務が適正に行われているかどうかを主眼として実施するもの
3 審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 決算審査(法第233条第2項及び地方公営企業法第30条第2項の規定による審査)
決算その他関係諸表等の計数を確認するとともに、予算の執行並びに事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 基金の運用状況審査(法第241条第5項の規定による審査)
基金の運用状況を示す書類の計数を確認するとともに、基金の運用が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(監査計画の作成)
第9条 監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期
(3) その他監査等の実施に関し必要と認める事項
2 実施計画は、監査等の種類別に次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象
(3) 監査等の期間
(4) 監査等の担当者及び事務分担
(5) 監査等の基本方針
(6) 監査等の実施場所及び日程
(7) 監査等の項目及び着眼点
(8) 監査技術の選択
(9) その他監査等の実施上必要と認める事項
(監査の手法)
第10条 監査の手法は、監査等の種類、対象、目的、内部けん制組織及び内部監査(内部考査)の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査によるものとする。
2 試査は、監査等の対象となっている事項について、その範囲を合理的に決定し、かつ、その一部を抽出して調査し、その結果によって、全体の正否又は適否を推定する手法とする。
3 精査は、監査等の対象となっている事項について、違法、不正その他例外事項を発見し、又は問題点等を明らかにするため、全部にわたり精密に調査する手法とする。
(監査技術)
第11条 監査技術は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 一般監査技術
照合 証憑突合、帳簿突合及び計算突合等のように関係諸記録を相互に突き合わせ、その記録又は計算の正否を確かめること。
(2) 個別監査技術
ア 実査 事実の存否について、実地に現物検証、現場検証等によって直接検証すること。
イ 立会 主として物品等の在庫高調査又は実地棚卸しを行う際に、現場に立ち会い、その実施状況を視察して正否を確かめること。
ウ 確認 事実の存否について、写真その他の証拠書類又は当該事項に関係のない第三者の証言等をもって確認すること。
エ 質問 事実の存否又は問題点について、監査対象部局の職員などに質問して、回答又は説明をもとめること。
オ 分析 事実の性質、内容を究明し、これを構成要素別、時間別比率別、問題別等分析して異常の有無を確かめること。
カ 比較 年度別、時間別、関係要素別等による複数の数値を対照させて観察し、その異同をつうじて問題点の有無を確かめること。
(3) その他の個別監査技術
ア 通査 帳簿等関係諸記録を一通り検討して、異常事項や例外事項を発見し、問題点を明らかにすること。
イ 比率吟味 財務分析上の比率法を応用して、記録の正否又は適否を大局的に判断すること。
ウ 調整 源泉を等しくし、相互に関連のある計数が別々に整理されている場合、これら2組の計数の過不足を追及し両者が事実上一致するかどうかを確かめること。
エ 総合 諸種の事実を総合して、総括的な観点から事実を判断すること。
(事前通知等)
第12条 監査等を実施するにあたっては、特別の場合を除き、監査対象部局等の長に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知するとともに関係書類及び必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求めて行うものとする。
(監査等の講評)
第13条 監査等に基づく関係責任者に対する講評は、原則として監査等の結果に関する報告の提出及び公表前に行い、これに対する弁明又は意見聴取するものとする。
(監査記録)
第14条 監査等を実施した事項の事実関係並びに出所、根拠は、監査調書に記録するものとする。
(報告及び公表)
第15条 監査又は検査を終了したときは、その結果に関する報告を法第199条第9項等の規定により、議会及び町長並びに町の執行機関等に提出しなければならない。この場合報告は、原則として文書をもって行うものとする。
2 前項の報告については速やかに公表しなければならない。この場合公表は、印南町公告式条例(昭和32年条例第3号)の定めるところによる。
(意見の提出)
第16条 監査等の結果に基づいて必要があると認めるときは、前条の監査等の結果に関する報告に添えて、法第199条第10項の規定による意見を提出するものとする。
(決算等審査意見の提出)
第17条 決算審査及び基金の運用状況審査を終了したときは、審査意見を町長に提出する。
(報告等以前の周知の禁止)
第18条 監査等の結果は、原則として、報告の提出又は公表若しくは意見の提出以前に、関係者以外の者に知らせてはならない。
(報告書等の記載事項)
第19条 監査報告書、検査報告書及び審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載する。
(1) 報告等の日付
(2) 監査等を実施した監査委員名
(3) 監査等の種類
(4) 監査等の概要
ア 監査等の実施期間
イ 監査等の対象とした部局又は団体名
ウ 監査等の対象とした事項及び範囲
エ その他監査等の目的又は着眼点
(5) 監査等の結果
ア 監査等による事務の執行、事業の管理状況等についての意見
イ 指摘事項
(監査等の結果の処理)
第20条 監査委員は、監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見について監査対象部局から適時措置状況報告を求めるものとする。
3 第8条第9号の住民監査請求については、これに係る勧告に基づき、議会又は町長等から必要な措置を講じた旨通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ公表しなければならない。
4 公表の方法については、第15条第2項の規定を準用する。
(委任規定)
第21条 この規程に定めるもののほか、監査委員の事務運営に関する必要な事項は、別に定める。
附則
この告示は、平成13年4月1日から施行する。
附則(平成19年監委告示第1号)
(施行期日)
1 この規程は、平成19年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 地方自治法の一部を改正する法律(平成18年法律第53号)附則第3条第1項の規定により収入役として在職するものとされた者が在職する間においては、改正後の第8条第2項の規定は適用せず、改正前の第8条第2項の規定は、なおその効力を有する。
附則(平成29年監委告示第1号)
この告示は、平成29年4月1日から施行する。